はつこいの死霊 (Marble comics)
草間 さかえ
『全ての不幸の元は初恋の祟り』
垂涎のリーマン眼鏡受けだというのに、無表情で強引な攻
(Not Megane!)にうっかりメロメロになりました。
草間さかえ先生の新作BL『イロメ』(←凄い良かった!)を読んだので、久々に読み返し やっぱり大好きです
※ネタバレあり※
セリフが短いので、じっくり読まないと理解できません
それゆえに読んでる間は完璧草間ワールドに入り込めます 年下攻とか眼鏡リーマンとか萌どころは沢山あるのに、この作品が大好きなのは萌えるからだけじゃないんです(いや萌えるんだけど)
親の離婚を経験し、再婚後も浮気して喧嘩する親達を見てウンザリしている智
『俺は多分誰も好きにならないよ 無意味だから』
中学生なのに恋愛に希望を持ってない
隣に住む大学生、裕一は
『きっと誰か好きになる』というのですが・・・
暑い日に裕一の部屋で、何気なく裕一にキスをされた智は慌てて逃げ出します 智はびっくりして逃げたものの、裕一のことを意識してしまい、避けつつも欲情してしまう
しかしその後、裕一が自分の義母と一緒に居る所を目撃 義母の浮気相手は裕一だったと、裕一を意識した途端に一瞬で打ちのめされます その後2人は一度も顔を会わすことなく離れ離れになり、10年経ってなんと仕事で再会する
10年前のはつこいの死霊が、いまさらどうして息を吹き返す という訳です
裕一は相変わらず眼鏡が似合ってて10年の歳月をあんまり感じさせないのですが、智がビックリするくらい冷めた目をした無表情の大人になっており、ドキッとします
好きな人は自分の義母と浮気をしていた
では自分にキスしたのはなんだったのか?
会っても自分に気が付かない裕一に、智は面倒な仕事を助ける代わりに『あんたは俺のいいなりになる』という取り引きを持ちかけます
智のものすごい無表情と裕一の色気が凄い反動で、エロがとっても色気ありです!
眼鏡ずれてるとか!コンタクトを舌で舐めて取るとかああああああああ!
取り引きの期間は金曜の夕方から月曜の朝まで 日時の感覚が無くなるほど、裕一は智にやり倒されます
裕一は、智は復讐として自分を陵辱していると思っているのですが、
義母と浮気していた事ではなく、キスをされた事 に執着していると智の友人から聞かされて
『どういうことだ 復讐でないなら』と疑問に思います
裕一が仕事場に駆けつけてみると、面倒な仕事は全て片がついており、智はいいなりの『取引も終了』だと告げます
『みっともなく這いつくばった あんたのケツ犯せて 満足した だから俺は忘れる』
『だけどあんたは忘れるな この先あんたが被る全ての不幸の原因の 俺の事を忘れるな』
あんたは俺の初恋だった という告白ですよね これは もーここ泣けます・・・
智は 自分にキスした→自分の事が好きなんだ→バイだった と考えていたと思うのですが、裕一は自分の事をすっかり忘れている それどころかバイではない ということはあの時キスしたのは好きだからじゃなったんだって分かって
俺はやっと初恋から解放されるけど、あんたは忘れるな あんたが俺の初恋だったことを
不器用というか、最後まで憎まれ口を叩いて告白する智に最高にきゅんきゅんします・・・! 何この健気なくせに無表情俺様攻は!も、もうメロメロです
ずっと智が避けていた唇へのキスと、智の言葉で裕一はやっと『初恋の死霊』の事を思い出します
『あの時 追いかけてやれなくて ごめん』
でも10年後は追いかけてきてくれるんですね v
萌どころは眼鏡とスーツだけだった裕一が、最後でやっと動いてくれて嬉しいです (あ、快楽に流されやすいってとこも萌どころだ!十分じゃないか・・・)
10年前、裕一がキスした理由が書き下ろしで分かるのですが
『え?条件反射?お前、手先に集中すると口尖るんだもん』 というなんという軽い理由!!
しかし本編で裕一が
『俺が全部忘れてしまいたかった理由 何だった?』の所で、智が逃げていくシーンと重なってるので、
裕一が忘れたかった理由=智を傷つけてしまったからだと思うのですが・・・ それに
『俺はお前が好きだったのか?』とか言っているので、キスしたのは条件反射(?)としても、智を傷つけてしまった事を忘れたいくらいは好きだったのかなぁ?
いまいちその辺が読解力が無くてよく分かりません・・・裕一自身、結局思い出せてないのでしょうがない??
本編に全く甘さが無い、でも最後はHappyEndの話は、報われる幸せ感が読み所なのですが、イチャイチャがあんまり見れないのは残念の一つです が!!『はつこいの死霊』は書き下ろしとカバー下がとっても美味しくさせてくれます
暑い暑い夏にパンツ一丁でテレビ鑑賞の若い2人がめちゃめちゃかわいいいいいいーーーー!
『テレビを見ていても、笑いのツボのあわない大学生と中学生』 ←はっきり言ってこの文章だけで萌えられます・・・!なになにこの爆笑してる裕一の堪らないアホ面!!こんなの本編じゃ絶対見られませんーしかも大人の2人があってこそ、10年前の2人が映える訳で!
酔っ払ってスシ買ってくるサラリーマンて!
『スシ買ってきたよーん』ってどんだけキャラ崩れてるの?バカなの?激しく好きだよ!!
あと智の趣味がいちいち渋い(蕎麦屋の二階とか、カーテンじゃなく屏風を使ってる)とか
指を舐める裕一の口元を見つめる智のエロさッたら・・・!快楽に弱い裕一を『なし崩しにする自身も俺にはある』とかの自信とか!全ての根底に関わる重大な何かを
『まぁ、いーや』で済ましてしまう器のでかさ(?)とか、智の全てが私のツボにヒットしまくりです
3誌、2社をまたがった連載で、グダグダにならないどころか、こんなにまとまった作品は本当に凄い
作者の作品に対する愛情というか、熱意というか『すごく話を練ってるんだな』感が凄くすき
初恋は実らない作品が多い中、読後感の良さも貴重で素晴らしいと思います!
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